2014年1月14日火曜日

神戸に海文堂書店がありました

2013/9/30で閉店した海文堂書店.創業99年目にしての廃業でした.
佇まいはこんな感じ.

1981/12に増築増床し250坪という当時,神戸市内ではジュンク堂センター街店につぐ規模の大書店となりました.
海事図書の出版でも知られ書籍の出版,小売り兼業でした.

1Fは雑誌,文芸,文庫新書,児童書,人文,芸能,旅行,実用などの一般書.
ショウウィンドウには絵画も掲げられ,


店内では神戸の地元の問題にもリアルタイムに反応.

入口にドーンと存在した新刊ひな壇.

店内什器はほぼ81年の増床時に新規に作成したものがそのまま使われていると思われます.
外壁色と合わせたグレーの彩色が落ち着いた雰囲気をつくります.モノトーンですが木製です.昨今の木目調いんちきスチール棚とは対照的.

この書棚は六甲の古書店ブックス・カルボに引き継がれています.
本棚の搬入 by ブログ@カルボ
http://books-carbo.jp/blogcarbo/entry-538.html

棚奥に本の位置調整パーツとして笑犬楼(筒井康隆)様の宣材をカットした手造り品が!

見つめられてますw
これは見つけた頃にtwitterで投稿したら海文堂さんのblogでもチェックされてましたw
http://d.hatena.ne.jp/kaibundo/20121003#p1 by 海文堂書店日記

海文堂出版の帆船ポスター.


1981年の増床時のコンセプトは専門書店の集合体ということで,売場スペースにはゾーン毎に何カ所か机がありました.

2Fへ本を運ぶダムウェーター.


店内を飾る色紙が歴史を感じさせます.

「万引きは犯罪です!!」
こんなのとは別に前店長による味のある手書き文字の注意書きが2Fのギャラリー付近に残っていたのですが,撮っとこうと思って忘れてしまいました.
神戸読書アラカルテ(3)by ほんまに日記 http://hiranomegane.blogspot.jp/2013/12/3.html
「拝啓、万引諸君」多分これをコピーしたものだったと思います.

2Fに上がる階段には同書店のシンボルの舵輪.できた頃は回した記憶があります.いつの頃からか,がんじがらめにw


階段にもたくさんの色紙が飾られていました.「ほんまに15号」(くとうてん)にたくさん掲載されています.でもそこには載っていなかった,いしいひさいちさんのを載せとこw
「スペクテイター29号」(幻冬舎)連載の猟盤日記によりますと,元町・穴門筋に店を構えるちんき堂さんにこのいしい氏の色紙が贈られたそうです.

2Fは理工,学参とともに一番の海文堂らしさの特色たる海事書,そしてギャラリーがありました.
2Fの窓から見下ろす元町商店街.



エアコンには雨の日の傘袋のようななにかが.

多分,直接風があたると本が乾燥して反ってしまうのを防ぐための愛の小道具だと推察したのですがどうでしょうか.

さらに2Fには2010年12月に古書波止場も開港.


やまだ書店・一栄堂書店・イマヨシ書店・あさかぜ書店の市内4古書店の合同売場でした.

元町・古書波止場 by daily-sumus で紹介されています.
http://sumus.exblog.jp/14399781/
またこの古書波止場とは別にちんき堂,トンカ書店,善行堂の棚も店内にありました.

ほんまに15号より1978年に西側店舗を増設した頃.店舗建替え前の姿.

私が初めて海文堂に出会った頃ですね.

最近でこそちょっと面白書店の雰囲気も漂っていましたが,私が初めて訪れた1978年頃は文芸書の品揃えはオーソドックスで静謐な,どちらかといえばちょっと敷居が高い雰囲気でした.当時は中学生でしたから当たり前でしょうがw
それでもマニアックなコミック棚の漢口堂や,海文堂と同じ80年頃改装した日東館のサブカル棚に比べても大人の雰囲気の書店でした.どちらももうありませんが.

ブックカバーも素敵で人気がありましたね.

1980年頃の文庫カバー.当時のものはタイトルや日付の記入欄がありました.これもいつかの海文堂書店日記で紹介して頂きました.

店を出てぐるりをぶらっと.
増改築の歴史を感じる側面.奥が北方向,商店街に面する店舗部分です.


エアコンのドレンホースでしょうか.生命感を感じます.

南側は事務所です.窓の絵は魚でしょうか,目でしょうか?


海の女神っぽいなにか.

2Fの窓には救命浮き輪が見えます.さすがに用意がいいw


ポスト.

南の車道側入口.窓の四隅から広がる亀裂は震災の痕跡か.


「ほんまに15号」の表紙を紹介.海文堂書店の屋上の絵だそうです.
http://www.honmani.net/
海文堂書店の記憶がつまっています.
販売店,購入方法はリンク先を参照ください.


阪神大震災からいち早く復興してくれたのも海文堂書店でした.
1995/1/26朝日新聞より

ではまた.
2013/8-9月を中心に散歩

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