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2020年5月4日月曜日

今日の廃区役所,灘区役所

2019年度の灘大学に参加していました.かれこれ4ヶ月くらい前のことですけど.

「第15期 灘大学」開講決定!
https://www.city.kobe.lg.jp/a57337/shise/press/press_back/2019/press_201909/20190918210901.html

この日は灘建築学ということで,京都工芸繊維大学の笠原一人さんによる「戦後の庁舎見学にみる公共のかたち」というテーマでの講義.

昔の灘区役所.

戦前日本の設計をリードしたのは役所の営繕課.
戦後その役割は民間の設計事務所に移っていく.
神戸市の場合,戦後も区役所は営繕課がつくっていたようである.市役所は日建設計.
という内容だったと思います.ちょっと時間が経ってしまい記憶があいまいですみません.

庁舎前の鉄製の電柱は市電の架線柱だろう.区役所もよりの将軍通までの区間は戦前の開通(1944年).

そういえば火の見櫓がありました.望火台というそうです.
上が広がっていてカッコよかったです.


現在の旧灘区役所.北面.


西面.

あれ? 望火台,いつ撤去されたんだっけって国土地理院の航空写真を見たらこれも1995年の阪神淡路大震災で撤去されたっぽい.

「庁舎を見ると防火台の上部が崩壊しかかっていて、非常に危険な状態となっていた」
阪神・淡路大震災 消防職員手記(灘消防署) by 神戸市
https://www.city.kobe.lg.jp/a10878/bosai/shobo/hanshinawaji/syuki/syukinada.html

須磨消防署の職員手記によると
「20年前まで24時間そこで火災監視をしていた所」とあるので1975年頃まで使われていたようです.

講義の後,解体が決定している旧灘区役所庁舎を実地見学で見せて頂きました.

旧灘区役所は1959年の竣工.
区役所,福祉事務所,保健所や消防署を一体で整備した神戸市初の総合庁舎区役所として完成.

旧灘区役所は区域の距離的中心にあたる立地.すぐ山側の道路,山手幹線には1969年まで市電が走っていた.将軍通電停がもより.
市電以外の鉄道駅からはどこからも微妙に距離がある.最近の役所の傾向として,距離的な中心ではなく交通に便利な駅近くに立地するようになった.

灘区役所も2004年には阪神淡路大震災後に整備された六甲道駅-阪神新在家駅地区へ移転した.それまでの45年間,この建物が使われました.


庁舎は4F建て.
北面外壁.3,4Fの西側は外壁がかすかに曲面になっています.言われるまで気づいてませんでした.竣工時,ホール(灘公会堂)だった部分.


建物東部分は灘消防署.消防署はまだ現役です.
市電で動物園やそごうに出かけるとき必ずこの前を通る.望火台や消防車は見逃さずに必死に見ていたものです.


玄関.


天井.有孔ボード仕上げ.

床仕上げは人研ぎ.

区役所移転後も別の用途で利用,賃貸されていたが解体に向け建物内は供用が終わった区画もある.照明の落ちた建物内部を特別に案内して頂く.


2F エレベーター.


階段室は北側.


2F.


階段の壁には子供の描いた絵が残されている.



階段の勾配に合わせた掲示板.


階段踊り場の案内板.


灘区役所 2-3F階段



2F 灯らない蛍光灯.


2F 東部分.


北面の窓.


2F廊下.


昭和の刑事ドラマの取調室のような扉.お仕置き部屋だろうか.


南側の窓からの景観.見えているのは日本住宅公団灘アパート.


灘アパートも1959年に区役所と一体で整備.
子供の頃親に連れられて区役所に来て,長い待ち時間の間ずっと中庭の消防車を眺めていたのはこのあたりだったのかも.


3F案内図.右が北.

フロア西側,市税課のあたりが灘公会堂だった部分.



エレボタ.

北面の壁.

外から見て曲面だった部分.内側も曲面.

北面の窓.



4F カウンター.

4F東側部分.奥の扉の向こうは3Fの屋上と思われます.


灘アパート屋上に設置されている避雷針.


4Fから3Fを見下ろす.先ほどの灘公会堂(3F)だった部分の天井裏.公会堂としての用途が終わったあと事務所スペースとして利用されていた.


4F運転手控室.


休憩スペースは畳の小上がり.


室内の鏡は橋本モータース.

沿革・神戸マツダの歩み by 神戸マツダ
https://www.mazda-hgr.co.jp/company02/outline.html
「昭和28年、当社の第2号拠点として、灘出張所を開設」とあります.


4Fの灘公会堂内部だった部分だろうか,壁の内装が有孔ボード仕上げ.


4F東側部分 南面の窓.

庁舎のスピーカーはナショナル製.


庁舎脇の花壇.


建物西面.


南西方向から.この部分が灘保健所でした.


灘大気監視局.


灘区の空気を監視しています.


日本住宅公団灘アパート(1959年)南面.
単身者用,今でいうワンルームサイズ.
数年前から閉鎖されています.


アルミサッシは竣工時から交換されたもののようだ.各室の細い窓の下部にある丸い穴はエアコン室外機用のスリーブ.建築当時はエアコンは普及しておらず,後付けで取り付け可能なように設けた穴です.


銘板.「灘アパート 日本住宅公団」 いいフォントです.



公団 灘単身者アパート (兵庫県) by 団地徒然日誌Ⅲ =のんびり日記=
http://codan.blog.shinobi.jp/%E6%9C%AA%E9%81%B8%E6%8A%9E/%E5%85%AC%E5%9B%A3%E3%80%80%E7%81%98%E5%8D%98%E8%BA%AB%E8%80%85%E3%82%A2%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%88%E3%80%80%EF%BC%88%E5%85%B5%E5%BA%AB%E7%9C%8C%EF%BC%89


洗濯物がよく乾きそうな屋上です.


建物のおおまかな配置.2020/5現在のgooglemapの航空写真を元に作成.建物の用途はフロアによって入り組んでいるので目安です(例えば保健所の上層階は灘アパート).

ではまた.
2020/1に散歩



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