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2020年5月27日水曜日

[メモ]兵庫のくらし

小学校4年生の時の社会科の副読本「兵庫のくらし」が出てきたのでご紹介します.
兵庫県児童文化研究会編.1975年の最新版です.

表紙は兵庫県庁舎を中心とした神戸市街.諏訪山からでしょうか.


巻頭はグラビアページが続きます.
国宝姫路城


甲子園球場


香住漁港


鳴門海峡
ここに大鳴門橋が開通するのは1985年です.


ポートタワーから見た神戸市街の風景
ポートタワーの立つ中突堤とメリケン波止場の間に艀がいっぱい溜まっています.艀が浮かんでいるあたりは現在,埋立てられメリケンパークとなっています.
海岸沿いに阪神高速3号神戸線が完成しています.現在はさらに南に浜手バイパスができています.
一番高い建物が神戸商工貿易センタービル.完成時は霞が関ビルに次ぐ,日本で2番目に高いビルでした.
その手前の赤茶けたビルが神戸商工会議所.1929年竣工,1987年に解体.

甲山森林公園(西宮市),ハチ高原(養父市),淡路島南淡町(2005年に南あわじ市)の水仙峡.


阪神工業地帯
武庫川河口上空から東方を見た所.現在は尼崎スポーツの森あたりで阪神高速5号湾岸線が走り抜けている.尼崎末広出入口があるところら辺.


姫路市
姫路駅前の大通り.正面に姫路城.左手前に山陽百貨店.右側の高いビルはヤマトヤシキ.


相生の造船所
旧播磨造船所,現在はIHI相生工場.私の世代だと石川島播磨重工という名前の方がピンときます.


播磨工業地帯
現在は日本製鉄瀬戸内製鉄所.同じく新日鐵広畑という方がピンときますね.


山に囲まれた和田山町
円山川沿いの竹田の集落.手前の山頂に竹田城趾が見える.和田山町は2005年に朝来市.


城下町篠山町
1999年に4町が合併して篠山市,2019年に市名変更して丹波篠山市に.


高速道路
阪神高速3号神戸線の京橋ランプ付近.


現在の様子 google mapより.ポートタワー,高取山が見える.阪神高速の左に並行して浜手バイパスができている.


元町商店街
左側の店舗の看板が「美田」と見える気がするがどうだろうか.


美田時計店の正面写真.商店街の写真の左端の店舗に似ているように見えます.
「THE 横浜・神戸」読売新聞社(1977)より.
美田時計店は元町3丁目,本高砂屋の東隣にあった.


県庁の付近
右から1号館,2号館,県会議場.現在は3号館(1990)までできている.
上の左端に元町駅が見えている.


神戸の町
三宮駅付近.神戸阪急ビル.神戸市役所.


新聞社
三ノ宮駅前にあった神戸新聞会館.阪神淡路大震災で解体後,現在はミント(2006)が建っている.
神戸高速鉄道
高速神戸駅.看板が丸いので,停車しているのは特急運用の阪急1100系だろうか.


まだまだやる気だった神戸港の拡張計画.


新しい道路 中国縦貫自動車道宝塚インターチェンジ
まだのどかな風景.左が中国縦貫自動車道,右が国道176号.
1970年に中国豊中IC - 宝塚ICが開通.奥が中国豊中方.宝塚IC - 西宮北ICが開通するのは1975/10.


篠山口駅前
のどかな感じだ.1997年に橋上駅舎化.


兵庫県の鉄道の発達

その後,この45年の変化(旅客線).
国鉄関係分
尼崎港線 1981年旅客営業廃止.1984年廃止.
高砂線 1984年廃止.
三木線 1985年第三セクターの三木鉄道に転換.2008年廃止.
北条線 1985年第三セクターの北条鉄道に転換.
飾磨港線 1986年廃止.
鍛冶屋線 1990年廃止.
宮津線 1990年に第三セクターの北近畿タンゴ鉄道に移管.
智頭急行 1994年開業.
JR東西線 1997年開業.

国鉄以外
阪神電鉄 1975年,阪神国道線,甲子園線廃止.
神戸市営地下鉄 1977年開業,以降数回にわたり延伸.
能勢電鉄日生線 1978年開業.
ポートライナー 1981年開業,以降神戸空港へ延伸.
能勢電鉄妙見線 1981年,川西国鉄前-川西能勢口廃止.
阪神電鉄武庫川線 洲崎-武庫川団地前,1984年開業.
明神電車 1985年人員輸送廃止.1987年廃止.
北神急行電鉄 1988年開業.
六甲ライナー 1990年開業.
神戸電鉄公園都市線 1991年開業.


明治のころの鉄道 神戸相生橋
相生橋は日本初の跨線橋.1931年に鉄道が高架化.
長谷川小信(二代貞信)(1848-1940,明治から昭和にかけての大阪の浮世絵師)の作品.


朝霧駅 複々線
兵庫県内最古のニュータウン,明舞団地が1964年に入居開始.最寄りの朝霧駅が1968年に開業した.実家の近所からも明舞に引っ越して行かれる方が結構いた.


山陽新幹線 確かに六甲トンネルは開業時,長さ日本一のトンネルでしたな.


高速県道神戸西宮線 西宮インタージェンジ


六甲トンネル
六甲山トンネルが正しいと思う.結構こういう本はいい加減だったと今見ると気がつく.ウルトラ警備隊の関係車両が走り出てきそうな佇まい.


県営南淡路有料道路
1966年開設(志知-阿那賀間).阿那賀港から徳島県鳴門市の亀浦港へ渡るフェリーがあった.1987年無料開放.現在は「うずしおライン」の愛称.


新田の開発 西宮でつくられた新田地図


水浸しになった神戸市
1938年の阪神大水害.三ノ宮駅前の滝道,現在のフラワーロード.左建物のシャッターにそごうのマークが見える.濁流から飛び出ているのは,市電乗り場への地下道からの出入り口.


尼崎閘門


天井川 芦屋川


芦屋の埋立て地
芦屋川河口,潮見町付近.さらに東側が埋立てられ芦屋浜シーサイドタウンができる.現在はさらに沖合いに潮芦屋ができている.


明石舞子団地


阪神工業地帯の発展とともに住宅団地の建設が着々と進んでいる.
西宮市浜甲子園


兵庫県立こども病院
1970年に日本で2番目の小児専門病院として須磨区高倉台に開院.
2016年にポートアイランドに移転.

半世紀近く前の社会科を復習しました.
ではまた.

・過去の記事から
[メモ]わたしたちのまち神戸
http://sanponow.blogspot.com/2013/10/blog-post_19.html

2020年5月17日日曜日

芦屋 ヨドコウ迎賓館へとことこと


ある気持ちの良い5月の日.


とある入口.


覗いてみると扉の向こうにはさらに階段.


内側から見るとこんな感じ.


やってきましたヨドコウ迎賓館.

玄関前の待合空間.

こんなところなら,いつまでも待たされていたいですね.


玄関扉.

階段室の窓.


階段からの景色.


窓が美しい額縁に縁取られた絵画のよう.

設計はフランク・ロイド・ライト(1867-1959).
昨今,機能性の追求にのみ突っ走った近代建築が,反省を余儀なくされています.自然の破壊,人間性の欠如が問題になっているわけです.ライトは,建築が周辺の自然環境と融和すべきことを強調し,機能性の追求のみでは豊かな人間性は保証されないとして,「有機的建築」の実践を使命としたのです.彼の理想はいまこそ,真の理解を迫られているというべきでしょう.  by 日本大学教授 谷川正己
ヨドコウ迎賓館の見所

  • 建物の立地
  • ライト坂
  • アプローチ
  • 土地と建物の一体化
  • 日本建築からの影響
  • 代表的な装飾
  • 大谷石
  • 飾り銅板
  • 湿気対策
  • 作り付けの家具

ヨドコウ迎賓館の来歴
1918 F. L. ライトによって基本設計終了
1924 竣工.山邑家別邸として.
1947 淀川製鋼所の所有となる.
1989/6 ヨドコウ迎賓館として一般公開開始.
1995/1 阪神淡路大震災に被災
1998/5 一般公開再開
2019/2 保存修理工事を経てリニューアルオープン


工学院大学建築学科南迫研究室による復元模型.
尾根の上に傾斜に沿うように設計されている.
建物敷地の下段には池も.


ずんずんずんと上がって3F西面の廊下.各所の内装に大谷石が使用されています.


階段室に上から光が降り注ぐ配置.


縁側のように和室との間にワンクッション置いた廊下.




3F平面図 右が北


廊下と和室間の開口部の銅版装飾.


欄間のような場所にある扉を開けると天井面に光が入ってくる.




和室と廊下の間の高低差によりフットライトのような光が入る.


幾何学的なホール天井.


浴室.


コーナー部がR形状に.汚れが溜まりにくい工夫.



小間使いの間.小間使いになりたいw


3F家族の寝室.



3F化粧室.小上がりのように床をあげた和室なので


隣接する椅子空間の家族の寝室と視線の高さが合いやすくなっている.


3F子供の寝室の暖炉.



屈曲させることにより,見通せるが丸見えにはならない3F廊下.
この廊下を愛しの猫様がやってきたりすると,ドラマチックですね!



4F平面図 右が北


4F食堂の暖炉.





食堂の北側に隣接する厨房.



厨房から食堂へのカウンター.


美しいが埃のたまりそうな装飾.お掃除は小間使いさんの出番か.


食堂からは,そのまま3F屋上のバルコニーへ出られる.


2F屋上へのステップダウン.


2F屋上先端からの眺め.
大洋に漕ぎ出す船の舳先のようにも.


眼下の駐車場,先ほどの模型によると植木のあたりに池があったようだ.


芦屋川右岸,開森橋から阪急芦屋川駅,阪神芦屋駅が見える.


左岸,芦屋浜シーサイドタウン方向.


ホールの天井もそうだが,角度による影でも表情を作っている.


細部まで彫刻を施された大谷石で装飾されている.


大谷石による階段の質感.


差し込む光も装飾のようだ.


トップは艦橋のよう.


沖合の高層ビルは六甲アイランド.


1,2F平面図 右が北


2F応接間.まさに迎賓館というにふさわしい設え.


応接間の暖炉.


1F玄関ホールと倉庫の扉.


今回の工事中に新たに土中からレンガ擁壁が発見された.レンガの上にはデンティル(歯飾り)の彫刻を施した大谷石が載っていました.


レンガとデンティル彫刻を施した大谷石が見えるような形に修復されています.



開森橋から見た芦屋川.

1年前の5月の散歩でした.ではまた.
2019/5に散歩

国指定重要文化財「ヨドコウ迎賓館」2年3カ月ぶりに一般公開 サンテレビ by YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=InusCgRmpkw