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2015年11月6日金曜日

紅の流れ星で神戸を散歩 のつづき,神戸山手篇

前回に引き続き「紅の流れ星」監督:舛田利雄(1967) 主演:渡哲也

探している男の死体が見つかったと刑事がルリルリを連れ,生田警察から県警本部に向かいます.

すれちがう市電はどうやら横浜市電.

横浜市電はこんな感じでした by 70's Railways
http://tekkenweb.sakura.ne.jp/railways70/70tc/70tc401.html


兵庫県警の設定の建物ですがこれも横浜なのでしょうか.

建物に限らず案外市電や市バスの車体,バス停や電停のデザインがもたらすヴァナキュラー感は大きい.
神戸には神戸の,他の町にはその町のデザインがあります.これからも軽々しく変えて欲しくはないものです.

ところで当時の生田警察はこんな感じでした.

「紅の拳銃」監督:牛原陽一(1961) 主演:赤木圭一郎 の光景です.


ちゃんと神戸市電が走っていきます.
これだけで,ああ〜神戸だ〜と感じることができます.

背景に朝日生命ビルが見えます.


今は建て変わっていますが,左端で切れてる茶色いビルが2015年の朝日生命ビルです.


京町筋方向.

「紅の流れ星」に戻りまして

県警を後にしたルリルリと渡が歩道橋を渡ります.

をっ! これは本物の兵庫県庁(1964竣工),まだできて4年目の真新しいころです.


じゃーん,これが渡哲也と浅丘ルリ子が渡った歩道橋です. 2015年.

神戸市の市章デザインの構造です.


ここをルリルリが登ってきたのですね!

県庁前に市章マークの歩道橋w 仲がいいのか対抗意識か.

県庁敷地内では断面がHなプランターがヒョウゴをアピール!?

前回もちらっと紹介した潜伏先の住宅.
実は「紅の流れ星」は同じ舛田監督の「赤い波止場」リメイクでした.

そして潜伏する住宅も一緒! さらに約10年遡る神戸の町の姿が!!

「赤い波止場」監督:舛田利雄(1958) 主演:石原裕次郎
1961年の「紅の拳銃」がカラーなのにこれは白黒です.だいたいこのあたりが映画のカラーかの境目でしょうか.

町の景色の違いとしては県庁の建物がない.ポートタワーもない.
逆に川重のガントリークレーン(1962解体)が見えます.



同じ家です.


石原裕次郎が町を見下ろしています.

そしてこちらは「青草に坐す」監督:野村芳太郎(1954) 主演:美空ひばり

同じ場所が使われています.右の家があの潜伏先の家です.
宍戸錠が渡哲也がそして石原裕次郎がいた階段を美空ひばりが駆け下りています.



ヒロイン美空ひばりの船員の父が神戸で宿泊する際,住んでいるという設定の家がこの諏訪山荘.

で散歩してきました,諏訪山町!

右上の建物が石原裕次郎,渡哲也の潜伏先でした.建物は建て替わっていますが独特の敷地形状は変わりありません.
そして左隣には当時のままの建物が残っています.


ここが渡哲也,石原裕次郎そして美空ひばりが駆け下りた場所です.


そこからの神戸市街の景色です.彼らも同じ景色を見たんですね.


宍戸錠が待ち受けていたのは白い車のあたりでしょう.

一つ下にある諏訪山荘.


「青草に坐す」の階段の親柱のような柱状のオブジェもそのままです!
諏訪山荘の門柱もクリーム一色に塗られていますが同じものです.

映画の中の神戸を並べてみましょう.

「紅の流れ星」(1967)


「紅の拳銃」(1961)


「赤い波止場」(1958)


「青草に坐す」(1954)

角度を変えて潜伏先を見てみましょう.

このサミット感.こういうところに潜伏してみたいw


シルエットもいい感じ.あのテラスで町を見下ろしながらビールを飲んでみたものです.

またまた「紅の流れ星」に戻りまして

刺客が宿泊するホテルは「金の鍵」


監視する渡の乾分は杉良太郎です,若い! まだ,すきま風吹かすだいぶ前ですね.

連れは奥村チヨです.


2015年の「金の鍵」健在です.

右隣の「シンガポール」も健在です.


杉良太郎と奥村チヨが張っていたのは,あのあたりなのでしょうか.

裕次郎の「赤い波止場」のラストシーン,山手病院.


最後は警察の罠にかかり逮捕されて坂を下っていきます.


今はこんな感じ.神戸外国倶楽部です.
ここはトアーロードの語源ともなったと言われるトーアホテル(1950焼失)のあった場所.


逮捕されて下っていく坂道です.

映画の中の神戸を散歩しました.ひょっとするとまだ続くかも.
ではまた.

2015/10,11に散歩.

映画の中の神戸散歩シリーズ
1.少し昔の神戸をぶらぶらと おぼろげな記憶を思い出しながら
http://sanponow.blogspot.jp/2015/11/blog-post.html
2.紅の流れ星で神戸を散歩 のつづき,神戸山手篇 (この記事です)
http://sanponow.blogspot.jp/2015/11/blog-post_6.html
3.紅の流れ星の神戸を散歩のさらにつづき 市街地&港篇
http://sanponow.blogspot.jp/2015/12/blog-post_13.html



2015年11月4日水曜日

少し昔の神戸をぶらぶらと おぼろげな記憶を思い出しながら

神戸! 高架道路は阪神高速3号神戸線です.

タイトルのすぐ右に神戸商工会議所ビルが見えます. 1987年解体.
タイトル左,紅白の鉄塔をのっけたビルは電電公社.
その手前高架道路沿いの塔屋ののったビルが水上警察.
それぞれ今は建て替わり,NTTドコモ神戸ビル,NTT西日本神戸中央ビル,神戸第2地方合同庁舎本館となっています.
港には艀がたくさん溜まっています.子供の頃ポートタワーから見た風景はこんな感じでした.というかこれもポートタワーからの撮影と思われます.

ということで,これは映画「紅の流れ星」監督:舛田利雄(1967) 主演:渡哲也 の映画の一場面です.50年近く前の神戸の風景です.
阪神高速道路は神戸線最初の開業区間,京橋-柳原間が1966年に開通しています.この映画の当時は開業2年目,これも目新しい都市景観だったのでしょう.

東側からの景観.


諏訪山山麓からの景観です.
ポートタワーがひと際目立ちます.1965年開業,できてまだ3年目.これも港の新しい景観だったことでしょう.
ポートタワーが立つのが中突堤で海を挟んで右手が高浜岸壁.今はハーバーランドmosaicです.その沖側が川崎重工.
左右に真ん中を横切るラインが国鉄の高架線です.左端に元町駅のホームが見えます.
国鉄線の少し上にやはり左右に元町商店街のアーケードが見えます.

話の筋は東京で一仕事した暴れもんが関西で潜伏する.そして追っ手+警察に追われる男というストーリーです.
潜伏先として選んだのが神戸.

この地でまた用心棒として収まっているのが我らが主人公,渡哲也.
隠れ家で過ごす男には当然のように女ができています.

渡の左に真新しい県庁舎(1964年竣工)が見えます.

下から見上げたところ.

右の角っちょに渡らがいます.
当時の映画で神戸で潜伏というとこのあたりのシーンが多いようです.


さっそうと坂を駆け下りていく渡.
途中でいかにも怪しい宍戸錠似のおっさん! というか気づきますよね普通w
東京から追ってきた刺客です.


当時は新幹線は新大阪まで.神戸の表玄関は三ノ宮駅です.


そんな神戸に行方不明になった男を追ってきたいい女がこの人,ルリルリ!


さっそく生田警察へ.しかし惜しい,走ってる路面電車が神戸市電ではないようです.

さっそうと登場する兵庫県警生田警察の刑事は藤竜也!

まだ髭もありません,若い!!


すこし東からの神戸市街.摩耶山掬星台あたりからでしょうか.

その後ルリルリは台本通り渡と出会い,神戸市内をあちこち散歩します.

これは北野町付近でしょうか.背景の市電が走ってそうな道路が加納町2付近のように見えますがどうでしょうか.
(と思いましたがよくよく見ると左上には船が浮かんでおり違いますね.正解は横浜市中区山手町のフェリス女学院高校横の道のようです.)


線が1本も繋がってない電話ボックスが唐突に道端のドブの上に置かれています.ワイヤレスなのでしょうか.

中には刺客の宍戸錠が隠れています.ここは笑うところなのでしょうかw


遊園地でデートを楽しみます.渡哲也楽しそう!

がここは神戸ではなく,浅草の花やしきに見えます.


住友倉庫その右の右端には今はなき,川西倉庫(2011解体)も.


第1突堤から居留地方向.
右端が水上警察.


倉庫にM,Kとあるので第3突堤でしょうか.

そろそろ結末なので刑事たちに射殺されちゃいます.


アンニュイな雰囲気で港をさっていくルリルリ.ちょっとまて,あなたはきっと重要参考人!
この映画の町を散歩してみたいな.つづくかも.
ではまた.

映画の中の神戸散歩シリーズ
1.少し昔の神戸をぶらぶらと おぼろげな記憶を思い出しながら (この記事です)
http://sanponow.blogspot.jp/2015/11/blog-post.html
2.紅の流れ星で神戸を散歩 のつづき,神戸山手篇
http://sanponow.blogspot.jp/2015/11/blog-post_6.html
3.紅の流れ星の神戸を散歩のさらにつづき 市街地&港篇
http://sanponow.blogspot.jp/2015/12/blog-post_13.html