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2015年12月13日日曜日

紅の流れ星の神戸を散歩のさらにつづき 市街地&港篇

さらに前々回からの続きです.映画の中の神戸,1950-70年代くらい.
まずは「赤い波止場」(1958)の三ノ宮駅前のシーンから.

東京へ帰る刑事の見送りシーンで登場


石原裕次郎と岡田眞澄が振り返ります.


背景に神戸新聞会館(設計:村野藤吾 1956)が映ります.



「紅の拳銃」(1961)ではカラーでより鮮明にわかります.



ヒロイン笹森礼子が三ノ宮に到着したところです.


駅前広場側も映ります.同じく左手に神戸新聞社ビル.
ママーと書かれたオート三輪が走っていきます. マ・マースパゲティでしょうか.

マ・マースパゲティは1956年の発売.
http://www.nttcom.co.jp/comzine/no084/long_seller/
マ・マースパゲティ by 日清製粉

「紅の流れ星」(1967)の三ノ宮駅前です.


真横から見たところ.奥に神戸新聞会館が映っています.


ルリルリ神戸到着シーン. タクシー乗り場の看板にも「国鉄の承認...」 昔は各駅のタクシー乗り場にこんな看板がありましたなあ.

「華麗なる一族」(監督:山本薩夫 1974)では,

画面右へ行くそごうへの歩道橋が完成しているのがわかります.この歩道橋は市電廃止後にできました.
小学生姿の私が映っていてもおかしくない時代ですw


今はこんな感じ.石原裕次郎や浅丘ルリ子が立ったのは,あのタクシー乗り場があるあたりでしょうか.


南からコンコースの方を向いたところ.
駅ビルは三ノ宮ターミナルビル(1981)に建て替わっています.


阪神大震災で被災し解体となった神戸新聞会館跡にはミント神戸(2006)が再建されています.

神戸交通センタービルの中から.

「紅の流れ星」でルリルリが航空券と空港へのバスのきっぷを買い東京へ帰ろうかというところです.全日空の窓口があったのですね.フラワーロードをはさんで奥に神戸新聞社が見えています.


窓口を出てビルの南西側にある空港バス乗り場へ,交通センタービル内を歩いていきます.


途中背景にそごうや右手にさんちかへの階段入口も見えます.

ルリルリは突然気が変わって空港バスを見送ってしまいます.


空港バスの運転席ごしに,そごう神戸店が見えています.

現在の神戸交通センタービル.そごう側から見たところ.


交通センタービル内の全日空のオフィスがあった所は,現在オリックスバファローズ球団の直営売店となっております.
ブルーウェーブとバファローズが合併したので今となっては微妙な名称になっています.

当時と同じ交通センタービル1Fからみた,そごう神戸店.

地下へ降りる階段は当時と同じさんちかへ降りる階段です.
つい今しがたルリルリが歩いたかのような錯覚にとらわれ,うろうろしてしまいましたw
誰にも気づかれていませんようにww

今も大阪空港行きバス停は同じ位置に.

切符は自販機になっていますが.


ルリルリと渡のデートシーン
東遊園地前の画面中央の歩道をぶらぶらしています
右奥が神戸市役所.その手前が市会議事堂,今はノッポビルの市役所の1号館が建ってます.
フラワーロード,こんな感じでしたね! 側道を仕切る石積みの分離帯が懐かしい.


と思ったら,歩道が拡幅して側道の分離帯を飲み込んでいました.

そして次は元町へ.
お魚ちゃんがぱくぱくするハイセンスの元町w


「紅の流れ星」でルリルリがアーケードの柱にもたれて待っている右後ろに明治屋神戸元町ストアーが見えます. 2013年閉店.


明治屋の跡はABCマートになっています.


南京町も再開発前はこんな感じでしたね.元町商店街から南方向を見たところ.
左側に伊藤グリルの看板が見えます.
写っているのは私たちの世代だと「探偵物語」の町の仲間たちで有名な榎木兵衛です.
今は道幅も拡幅し,観光客も増えこの面影はありません.


伊藤グリルの看板が左に見えます.


南京町の東西の通り,東の方を見たところ.この道も狭かったです.背景の大きなビルは大丸でしょうか.


ぎょうざ苑が健在.今は観光客でごった返しています.


右奥でまどろむ渡と,彼を狙う刺客の宍戸錠の構図.神戸の港という設定ですが,どうやら横浜港のよう.

大桟橋のこの辺やと思うのですがどうでしょうか?

散歩しに行くには遠いので google mapよりw


東京へ飛行機で帰るのを気まぐれに取りやめたルリルリが渡のことを思いながら,摩耶大橋を渡っています.
背景は摩耶埠頭第1突堤.「ウルトラセブン ウルトラ警備隊西へ」(1968/1放映)でウルトラ警備隊が最強のロボット怪獣キングジョーを倒したライトンを発射した地点として歴史に残る突堤です.

摩耶埠頭 by 光跡★ロケ地
http://members.jcom.home.ne.jp/usaq/maya.htm


これまた台本通りジャストタイミングで渡が登場.背景には神戸市バス.


橋の中程を渡るほとんど点に見えるのがルリルリと渡です.
神戸製鋼所の看板が見えます.煙突だらけですな.思えば私らの子供の頃は埃やスモッグでもくもくとした町でしたな.
あのあたりは阪神大震災後,HAT神戸として兵庫県立美術館(設計:安藤忠雄 2002)やら復興住宅が立ち並んでいます.




で散歩してきました,摩耶大橋! 夜ですがw

右が摩耶大橋(1966),左が第二摩耶大橋(1975).


摩耶大橋には歩道があります.ここをルリルリが歩いたのですね!
たいして高そうに見えないですが,現地に行ってみると結構高いですw
歩道はそれほど広くなく,手すり高さも今の基準より低いんじゃないでしょうか.私の重心よりは確実に低く,強い力でぶつかると下に落ちちゃうかも.

ここが灘区と中央区を架ける橋,通称神戸のボスポラス海峡と言われています.



段数数えるの忘れましたが結構ありますw


ということで低い雲が垂れ込める,神戸市中央区新港埠頭に降り立ちました.
歩いて渡っている人には出会いませんでした.適度な起伏もありますのでジョギングにいいかも.

ではまた.
2015/10,11に散歩.


紹介したロケ地map
「青草に坐す」(監督:野村芳太郎 1954)
「赤い波止場」(監督:舛田利雄 1958)
「紅の拳銃」(監督:牛原陽一 1961)
「紅の流れ星」(監督:舛田利雄 1967)

映画の中の神戸散歩シリーズ
1.少し昔の神戸をぶらぶらと おぼろげな記憶を思い出しながら
http://sanponow.blogspot.jp/2015/11/blog-post.html
2.紅の流れ星で神戸を散歩 のつづき,神戸山手篇
http://sanponow.blogspot.jp/2015/11/blog-post_6.html
3.紅の流れ星の神戸を散歩のさらにつづき 市街地&港篇 (この記事です)
http://sanponow.blogspot.jp/2015/12/blog-post_13.html

2015年12月2日水曜日

面格子写真展を見て,まちかどをぶらぶらと

オープンナガヤ大阪2015の企画のひとつとして,カエルハウス,アジアたてもの文庫の面格子写真展が行われたのでさっそく行ってきました.


面格子写真展2.

会場では面格子愛好家たちが蒐集した数々の面格子写真が展示されています.

そんな中,今回は私も写真展に参加w

また以前から面格子ファンクラブ会員が撮りためた膨大な写真をスライドショーで上映.


夜からは,別館で主催者アジアたてもの文庫さんによるトークイベント「面格子の楽しみ方」も開催.


形態的にはもちろん歴史的,地域的あらゆる角度からの考察及び見どころをお話しいただきました.


特製のカクテルも登場.おっ! 何やら面格子っぽい雰囲気!!
これは嬉しい.

さて翌日には,実地にスペシャルツアー.

まずはオーソドックスなハート型から.


年月の積み重ねを感じる木製面格子.

さらにその奥には等高線模様の型板ガラスも!


インストラクターの後を追って,夢見るように町をさまよう面格子愛好家たち.

ではそんな中から,ほんの一部をご紹介.

ウェーブタイプ


横につながってないのが珍しい?


比較的新しい密なパターンの繰り返し.ワイヤーロックがアクセント.

町に繰り出すといろいろな物が気になってしまうのが私たちの性.

どうやら,うずまきが気になるおじさま.

ここは南海西天下茶屋駅です.

駅舎内にはベンチの痕跡が.
壁に腰壁状の板がトマソン状にへばりついていました.


三角形な窓も珍しいかも.


ガラスブロック,面格子,穴開きブロックとてんこもり苦しい物件.まさに逆三重苦!


役目を終えて窓にぶら下がる面格子も


アナーキーなテントも


風雪ながれ旅的な看板も


アップで見たら実はシワがすごそうな,爽やかおねえさんも


あの上には天国がありそうな階段も


町にはすばらしい宝物がいっぱいです.


そんなツアーを終えて再び,夜のカエルハウス.


また来たいところです.

2015/11/28,29に散歩

オープンナガヤ大阪2015
http://opennagaya-osaka.tumblr.com/
カエルハウス facebookページ
https://www.facebook.com/kaeruhousejapan/
アジアたてもの文庫 facebookページ
https://www.facebook.com/asiatatemono/

[過去の記事から]
懐かしい時代の建物をぶらぶら オープンナガヤを散歩
http://sanponow.blogspot.jp/2014/11/blog-post_11.html